惜哉おしいかな)” の例文
惜哉おしいかな東洋半開の邦に生れたるを以て僅に落語家の領袖おやだまよばれ、或は宴会に招かれ或は寄席よせで、一席の談話漸く数十金を得るに過ず
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
惜哉おしいかな障子越しで玉の御姿おんすがたを拝する事が出来ない。従って顔の真中に大きな鼻を祭り込んでいるか、どうだか受合えない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
惜哉おしいかなその計画せし日本の絵画及浮世絵板物に関する完全なる一大美術史は脱稿せられずして止みしといへども前述したる紐育展覧会目録のほかに千八百九十八年(明治三十一年)東京に開かれたる展覧会の目録あり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)