エンジンが参ったり、その為めに応急舵制動機ジュリイ・ラダアでも掛けていたりすると、虫が這うように暇のかかるものだから、遅れているのに不思議はない、と、そう話し合って、最初は比較的呑気に構えていた。
沈黙の水平線 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)