御勧おすす)” の例文
旧字:御勸
御主人はわたしがあきれたように、はしもつけないのを御覧になると、上機嫌に御笑いなさりながら、こう御勧おすすめ下さいました。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
是非やれ、何でもいいからやれ、どうかやれ、としきりにやれやれと御勧おすすめになります。それでもと云って首をひねっていると、しまいには演説はやらんでもいいと申されます。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殊の外愚僧を愛せられ、是非とも満行寺に立寄れよと御勧おすすめなされ候により、そのまゝ御厄介に相なり候処、当山は申すまでもなく西本願寺派にしほんがんじは丸円寺まるまるじの分れにて、肉食にくじき妻帯の宗門なり。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)