ともがら)” の例文
我答へて彼に曰ひけるは、かれら逐はれしかども前にも後にも四方より歸れり、されど汝のともがらは善くこのわざを習はざりき 四九—五一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
冷静れいせいなる社会的しやくわいてきもつれば、ひとしく之れ土居どきよして土食どしよくする一ツあな蚯蚓みゝず蝤蠐おけらともがらなればいづれをたかしとしいづれをひくしとなさん。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
朋友ともだちまことある事人もはづべき事也、しかるを心なきともがらかのふんをたづねありき、代見立しろみたてふんあればかならず種々しゆ/″\じゆつつくして雁のくるをまちてとらふ。
破廉恥はれんち市井しせい売文のともがら、あさましとも、はずかしとも、ひとりでは大家のような気で居れど、誰も大家と見ぬぞ悲しき。
あさましきもの (新字新仮名) / 太宰治(著)
富めるものはおほくおろかなりといふは、しん三七石崇せきそう唐の三八王元宝わうげんぱうがごとき、三九豺狼さいらう蛇蝎じやかつともがらのみをいへるなりけり。
彼妙音の女怪の一人此舟の中に來ぬこそ殘惜しけれ。その容色はいと好しとぞ聞く。さるものを待遇せんは、わがともがらかたんぜざるところぞ。われ。
天台寺の住寺とはいつはり。まことは切支丹キリシタン婆天蓮バテレンともがらと思ひしが、それもいつはり。そのまことは、かゝる山中に潜み隠れ居る山賊夜盗の首領なりしかと今更に肝を消しつ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかし、国法のこころは、人を罰するをもって、最高なりとはせぬものでおざる、罰法は元、それによって、兇悪のともがらまことの道に生き直るための罰でなければなりません。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新に生れたるともがらの目をきて
また善く何故に彼等この非道のともがらとわかたれ、何故に彼等を苛責する神の復讎の怒りかへつて輕きやを見るをえん 八八—九〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
四三管仲くわんちゆう四四ここのたび諸侯をあはせて、身は四五倍臣やつこながら富貴は列国の君にまされり。四六范蠡はんれい四七子貢しこう四八白圭はつけいともがら四九たからひさぎ利をうて、巨万ここだくこがねみなす。
若し相識らぬ人の、我等の狂態を見たらんには、定めて尋常時つねのときに及びて行樂するともがらとなすなるべし。ポツジヨのいふやう。女子の美は羅馬にくはなし。君はいかにおもひ給ふか。
雨はかれらを犬のごとくさけばしむ、かれらさちなき神なきともがら片脇かたわきをもて片脇の防禦ふせぎとし、またしば/\反側す 一九—二一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
立たせ給へといへば、一座の人々たちまおもてに血をそそぎし如く、いざ一四二石田増田がともがら今夜こよひ一四三あわかせんと勇みて立ちさわぐ。秀次ひでつぐ木村に向はせ給ひ、一四四よしなきやつに我が姿すがたを見せつるぞ。