左右かにかく)” の例文
かくなしてなほ貧民等は市街を横行なせる事は日を追つてさかんなりしが、其頃品川宿に於て施行せぎようを出すを左右かにかくと拒みたる者ありとて忽ち其家を打毀うちこはせしより人気いよいよ荒立あらだつ
其都度、私は左右かにかくと故障を拵へて一緒に遊ぶまいとする。母は憐愍あはれみの色と悲哀かなしみの影を眼一杯に湛へて、当惑気に私共の顔を等分に瞰下みおろすのであつたが、結局矢張私の自由わがままとほつたものである。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
有るは無く無きは見えつつ左右かにかくに面白きものは夢にぞありける
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)