岩殿山いわどのやま)” の例文
かずこの上は、郡内の岩殿山いわどのやまにひとまず御籠城遊ばし、その上の御思案。そのまにはなお、四散したお味方も馳せ加わりましょうし……
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほどもなく、この人々も、小田原おだわらの人数も、甲州本街道こうしゅうほんかいどう迂回うかいして、岩殿山いわどのやま武田家滅亡たけだけめつぼうのあとをとむらいながら、御岳みたけへ、御岳へ、と近づいていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
織徳しょくとく連合軍におわれた勝頼主従かつよりしゅじゅうが、そのしん、小山田信茂の岩殿山いわどのやまをたよって落ちたとき、信茂は、さくをかまえて入城をこばみ、勝頼一門が、天目山てんもくざん討死うちじにを見殺しにした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)