小狐おぎつね)” の例文
で、此目的で、最初は小狐おぎつねに居た頃喰付いた人情本を引続き耽読たんどくしてみたが、数をかさねると、段々贅沢になって、もう人情本も鼻に附く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
是が噂に聞いた小狐おぎつね独娘ひとりむすめの雪江さんだなと思うと、私は我知らず又固くなって、狼狽あわてて俯向うつむいて了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
東京へ着いたのは其日の午後の三時頃だったが、便たよって行くのは例の金時計をぶらげていたという、私のうちとは遠縁の、変な苗字だが、小狐おぎつね三平という人のうちだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)