小止こやみ)” の例文
死んだのは鼓ヶ嶽の裾だった。あの広場ひろっぱの雑樹へさがって、が明けて、やッと小止こやみになった風に、ふらふらとまだ動いていたとさ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若「伊之さんこんなに降って来たから……大丈夫来やしないわ、帰るにしてもちっ小止こやみになるまで見合みあわしておいででないとビショ濡になっちまうわ」
はがれしかば天も漸々やう/\受納じゆなふ有てや是よりあめふり出して三日三晩小止こやみなく因て草木もみどりの色を生ぜしとかや趙氏が妻とお菊が孝心は和漢一つゐ美談びだんいつつべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其中そのうちには雨は小止こやみになつたと思ふと、喇叭のが遠くに響く。首を出して見ると斜に糸の如く降る雨を突いて一輛の馬車が馳せて来る。余は此馬車に乗込んで再び先の停車場へと、三浦屋を立つた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
待内に愈々いよ/\雨は小止こやみなくはや耳先へひゞくのは市ヶ谷八まん丑時やつかね時刻じこくはよしと長庵はむつくと起て弟の十兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雨は小止こやみで。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)