とおと)” の例文
母親はその金をさもとおとそうに押しいただくまねをして、立って神棚かみだなそなえた。神棚には躑躅つつじと山吹とが小さい花瓶に生けて上げられてあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
一人の科学者にとってはこれ以上にとおと箴言しんげんはない。そして科学者として立とうとしている以上、今後は文学などに未練をつな姑息こそくを自分に許すまいと決心したのだった。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)