家常茶飯かじょうさはん)” の例文
などという話は家常茶飯かじょうさはんのことで、たとえばおめえのおっかあが誰それと寝たぞと云われたような場合でも、その亭主はべつに驚きもしない
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それにはすぐいてしまって、またもとの、いつまで繰り返していても倦きることのないような、家常茶飯かじょうさはん的な遊びに立ち返っていくことを好むものだ。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
大多数の人類の間に家常茶飯かじょうさはんとして普及することを疑わないにしても、それまでには多少の期間を要することは免れがたく、その期間には幾多の逆流があり
激動の中を行く (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
しかし多くの自殺者を見ていたお陰には、自殺をすることが家常茶飯かじょうさはんのように思われて、大した恐怖をも感じなかった。老婆はふらふらとしたまま、欄干からずり落ちるように身を投げた。
身投げ救助業 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
などという話は家常茶飯かじょうさはんのことで、たとえばおめえのおっかあが誰それと寝たぞと云われたような場合でも、その亭主はべつに驚きもしない
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一般の女子及び男子の貞操に関して考えた事はあっても自分の貞操は家常茶飯かじょうさはんの事のように思っていた。自分の貞操を軽く見ていたのかというと、軽いも重いもない。
私の貞操観 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
家常茶飯かじょうさはんすべてのことが眼立ってつましくなった、まえから幸子は召使たちといっしょに食事をする習わしだったが、近頃の菜はおもに焼き味噌と香の物だという
日本婦道記:尾花川 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)