実例ためし)” の例文
旧字:實例
この怖ろしい実例ためしを、さまざまと耳にして、雪之丞はもとより、師匠菊之丞、肌えに粟を生じ、髪の毛も逆立つ思いで、見えざる加護者に対して手を合せないわけにはいかない。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
お家騒動、内輪うちわめから。邪魔な相手を片付けたさに。こうした手段を使った実例ためしが。チラリチラリと残っております。ならば今では、どうかと見ますと。おなじ事じゃと云いたいなれども。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)