守護しゅご)” の例文
産土うぶすなかみがあって、生死せいし疾病しっぺい諸種しょしゅ災難等さいなんとう守護しゅごあたってくれればこそ、地上ちじょう人間にんげんはじめてそのその生活せいかついとなめるのじゃ。
名人の内に宿る射道の神が主人公のねむっている間に体内をけ出し、妖魔ようまはらうべく徹宵てっしょう守護しゅごに当っているのだという。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
鎌倉幕府は、守護しゅご地頭じとうを設けたが、幕府の類族をそれに当てた。封建制度はそうしてできたのである。天智のつくつた制度は、それによつて、廃されたのである。
これから桑名くわなのご陣屋じんや護送ごそうするひとりの落武者おちむしゃれてある! だがよくきけよ! おれも人穴城ひとあなじょうにいた野武士のぶしとちがって、いまでは、南蛮寺なんばんじ守護しゅごする羽柴家はしばけの呂宋兵衛だぞ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こちらの世界せかいてからの私達わたくしたち全然ぜんぜん飲食いんしょくをいたしませぬので、したがってこまかいことはわかりませぬが、ただわたくし守護しゅごしているこのおんな(T夫人ふじん)の平生へいせい様子ようすからかんがえてますと
武家幕府がおこってからは、兵馬の権はもとより、政治は一切、朝廷を骨ヌキにして奪われ去り、全国の土地、貢税こうぜいなども、武家支配下の守護しゅご地頭じとうにおさえられて、みかどの御料や公卿
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここで非命ひめいたおれた、かの実朝公さねともこうなども、いまはこのかかって、守護しゅごあたってられる……。イヤ丁度ちょうど機会おりじゃ。そなたも一おうそれ方々かたがたにおにかかるがよいであろう。