その帰り途に、浅草雷門前の女川田楽おんながわでんがくで夕仕度をしたことを、珍しかったので今も覚えている。その内庭に池があって金魚が居たのを面白がって私は眺めた。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)