仙経を焼きすてて、他力に帰し、道綽禅師どうしゃくぜんじは、大集月蔵経だいじゅうがつぞうきょうのうちに億々の衆生しゅじょうぎょうを起し道を修すといえども、まだ一人も得たるものあらず——と末法の世を喝破してある言葉を一読して
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)