大蝶丸だいちょうまる)” の例文
「七年めえだ」と秋葉エンジナーが云った、「幸山船長が船を貰ってやめた年だったべえ、暴風雨で高汐たかしおが来て、大蝶丸だいちょうまるが大三角へ乗りあげたあとのことさ」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
助なあこは大蝶丸だいちょうまるの水夫であり、お兼は「大蝶」の缶詰かんづめ工場へ貝をきにかよう雇い女で、亭主ていしゅがあった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
エキゾスの音で大蝶丸だいちょうまるだとわかった。大蝶丸なら安心であった。この辺が釣りの穴場で、いつも釣舟がいるということを、大蝶丸の者なら知っているはずだったから。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)