夏痩なつや)” の例文
ことに暑い時分の病気は大概胃腸病に原因しないものはありません。第一番に来るのが夏痩なつやせという一種の営養不足です。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
毎年の例として、彼女達は土用になると食慾が減退して「B足らん」になり、夏痩なつやせをするのであるが、分けても平素から痩せている雪子の細り方は著しかった。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しか刈萱かるかやみのいつしかにつゆしげく、芭蕉ばせをそゝ夜半よはあめ、やがてれてくもしろく、芙蓉ふようひるこほろぎときるとしもあらずやなぎなゝめすだれおどろかせば、夏痩なつやせにうつくしきが、轉寢うたゝねゆめよりめて
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ことしの夏の暑さは格別で、おせきの夏痩なつやせはいちじるしくに立つた。
子にかまけ末女最も夏痩なつやせぬ
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)