“壁龕”の読み方と例文
読み方割合
へきがん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁には名匠の油絵や、天鵞絨ビロードおおわれた壁龕へきがんがところどころに設けられて、大食堂も廊下も大舞踏室もことごとく、内庭の芝生に臨んでいる。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
彼女は何一つ話すこともなく、一度席に坐ると、まるで壁龕へきがんの中の彫像のやうに、身動きもしないでゐた。姉妹は、二人共、純白のよそほひをしてゐた。
それは非常に小さいので、遠くからは聖人像を納めることになっているから壁龕へきがんのように見えた。説教者は手すりからまる一歩とさがれないにちがいなかった。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)