四壁あたり)” の例文
隣室からは、四壁あたりを驚ろかす上ずった笑い声、それに続いて、佐良井と女共の、酒精アルコール臭い淫靡いんびな声が筒抜けに聴えます。
死の舞踏 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
卓の賑わう間を、お互いに頬杖などして、四壁あたりを見ると、金箔板はくいたれん(柱懸け)にしゅを沈めた文字で
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と御声ひくゝ四壁あたりを憚りて、口数すくなき伯母君がおぼはすることありてか、しみじみとさとし給ひき、我れ初めは一向ひたすら夢の様に迷ひて何ごとゝも思ひ分かざりしが、漸々やうやう伯母君の詞するどく。
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)