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四周
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あたり
ふりがな文庫
“
四周
(
あたり
)” の例文
其時も叔父は、私にお
銭
(
あし
)
を呉れる事を忘れなかつた。母は
例
(
いつも
)
の如く不興な顔をして叔父を見てゐたが、
四周
(
あたり
)
に人の居なくなつた時
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼は眼を見開くと無感動な顔付でしきりと
四周
(
あたり
)
を見廻した。道はわずか跡を示しながら密林の果てに消えている。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
とつぶやきしに
彼
(
か
)
の若者、慌しく
四周
(
あたり
)
を見まはし、首を縮め、舌を震はせつゝ教へけるやう
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「皆さん。御覧の通りこれは私が今日通りがゝりの鳥屋から借りて来た正真正銘の兎です。」とかう彼は慣習になつた口上めいた事を云つて、
四周
(
あたり
)
の人たちをずつと見渡した。
手品師
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
きょろきょろ
四周
(
あたり
)
を見まわしたが、
防空壕
(
ぼうくうごう
)
らしいものはなかった。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
お庄は目のさめるような色の鮮やかな蒲団や、
四周
(
あたり
)
の装飾に
見惚
(
みと
)
れながら、長くそこに横たわっていられなかった。湯島の下宿の二階で、女中に見せられた、暗い部屋のなかの赤い毛布の色が浮んだ。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
劈
(
つんざ
)
く様な悲鳴が
四周
(
あたり
)
の小山に響き渡りました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
其勇ましい
唸
(
うめ
)
きの声が、真上の空を
劈
(
つん
)
ざいて、落ちて
四周
(
あたり
)
の山を動し、反ツて数知れぬ人の
頭
(
こうべ
)
を
低
(
た
)
れさせて、響の
濤
(
なみ
)
の
澎湃
(
はうはい
)
と、東に溢れ西に漲り、
甍
(
いらか
)
を圧し
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
シビレの切れかかったボンノクボを枕に
凭
(
もた
)
せかけたまま、ウソウソと
四周
(
あたり
)
を見まわした。
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と、彼女は用心ぶかく
四周
(
あたり
)
をみまわして言葉を停めた。
地球を狙う者
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何
(
いづ
)
れ
何事
(
なに
)
かやり出すだらう! それは、その一箇年の間の、
四周
(
あたり
)
の人の渠に対する思惑であつた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ドクトルは、暫く
四周
(
あたり
)
を見廻していた。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
春は壺菫に秋は桔梗女郎花、其草原は四季の花に富んでゐるので、私共はよく遊びに行つたものだが、其頃は一面に萱草の花の盛り、殊にも水車小屋の
四周
(
あたり
)
には澤山咲いてゐた。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
開け放した窓から時々
戸外
(
そと
)
を眺めるが、烈々たる夏の日は目も痛む程で、うなだれた木の葉に
習
(
そよ
)
との風もなく、大人は山に、子供らは皆川に行つた頃だから、
四周
(
あたり
)
が妙に静まり返つてゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“四周”の意味
《名詞》
四 周(ししゅう)
周り。周囲。
(「よんしゅう」とも)一周の四倍。角度の千四百四十度。
(出典:Wiktionary)
四
常用漢字
小1
部首:⼞
5画
周
常用漢字
小4
部首:⼝
8画
“四”で始まる語句
四辺
四方
四
四邊
四方山
四肢
四阿
四谷
四人
四囲