唯々はいはい)” の例文
翁さん姨さんの頼と有つて見れば、僕は不承知を言ふことの出来ない身分だから、唯々はいはいと言つて聞いてゐたけれど、みいさんは幾多いくらでも剛情を張つて差支さしつかへ無いのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
御自分の口から出てゆけとは仰しやりませぬけれど私がこの様な意久地なしで太郎の可愛かわゆさに気が引かれ、どうでも御詞に異背せず唯々はいはいと御小言を聞いておりますれば
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)