“古筵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふるむしろ60.0%
ふるござ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これはまた余りになさけない。町内の杢若もくわかどのは、古筵ふるむしろの両端へ、ささの葉ぐるみ青竹を立てて、縄を渡したのに、幾つも蜘蛛くもの巣を引搦ひっからませて、商売あきないをはじめた。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
物皆終あれば古筵ふるむしろとびにはなりけり。久しく苦しんでいる内に文三の屈托も遂にその極度に達して、忽ち一ツの思案を形作ッた。所謂いわゆる思案とは、お勢に相談して見ようと云う思案で。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
これはまた酷い事、屋根半分はもうとうに風に奪られて見るさへ気の毒な親子三人の有様、隅の方にかたまり合ふて天井より落ち来る点滴しづく飛沫しぶき古筵ふるござで僅にけ居る始末に
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これはまたむごいこと、屋根半分はもうとうに風にられて見るさえ気の毒な親子三人の有様、隅の方にかたまり合うて天井より落ち来る点滴しずく飛沫しぶき古筵ふるござでわずかにけ居る始末に
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)