いつも三機雁行がんこうの、その先登に立っていた司令機内のこの儂は、反射凸面鏡はんしゃとつめんきょうの中に写る僚機の、殺気だった戦闘ぶりを、ちょいちょい眺めては、すくなからず心配になってきたものだ。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)