“南縁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なんえん66.7%
みなみえん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、気がいて恐る恐る眼をやった時、南縁なんえんの雨戸のしまる音がして、曲者くせものの姿はもう見えないで、被衣のみがすなの上にふわりと落ちていた。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
南縁なんえんけんを迎うるにやあらん、腰板の上にねこかしらの映りたるが、今日の暖気に浮かれでし羽虫はむし目がけて飛び上がりしに、りはずしてどうと落ちたるをまた心に関せざるもののごとく
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
仏前にまいるにも、弟子と話すにも、南縁みなみえんから、三十六峰の雲をながめているにも、その膝には、母乳ちちを恋う良人おっとの分身をのせていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相變らず南縁みなみえんで、草花の芽をいつくしんでゐると言つた、天下泰平の姿だつたのです。