北面きたおもて)” の例文
一度、姉がわずらって、何かと手が無かったものだから、その猫を婢たちのいる北面きたおもてにやり放しにして置いたことがあった。猫は、その間じゅう、北面の方で苦しそうに泣きつづけていた。
姨捨 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)