池田勝三郎信輝しょうざぶろうのぶてるのむかしから、人にうしろ指はさされぬ自負じふをもって、四十九歳までの武人生活をつらぬいて来た彼として、すくなくも、こんどの名折れは、心外でならないにちがいない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)