剣酸漿けんかたばみ)” の例文
「これは失礼を」「いや拙者こそ」双方いいながら顔を見合わせた。剣酸漿けんかたばみの紋服を着た、眼覚めるばかりの美男の武士が、冷然として立っていた。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼奴きゃつについて聞き知ってることは、非常な美男だということと、着物につけた定紋が、剣酸漿けんかたばみだということだけだ。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「下でお見掛けしたんだが、剣酸漿けんかたばみの紋服を召した、綺麗な綺麗なお侍様が、泊まっておいでのご様子だね」「そのお方なら松の間の富士甚内様でございましょう」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)