“前膊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんはく50.0%
ぜんぱく33.3%
まえかた16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五本の指、たなごころ前膊ぜんはく上膊じょうはく、肩胛骨、その肩胛骨から発した肉腫が頭となって、全体があだかも一種の生物の死体ででもあるかのように、血にまみれて横たわって居た。
肉腫 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
この川に添うて、またかのすかんぽが簇生ぞくせいして居り、幼年の者しばしばそれをたしなむのである。花の莖の太く短く、青女あををんな前膊ぜんぱくの如き感じを與へるのが最も佳味であつた。
すかんぽ (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
慶応二年師走のある寒い昧暗まいあん、芝増上寺の庫裏くりを二人の若い武士が襲った。二人とも、麻の草鞋わらじに野袴、革のたすきを十字にかけた肉瘤盛り上がった前膊まえかたあらわである。笠もない、覆面もしない。
増上寺物語 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)