出丸櫓でまるやぐら)” の例文
徳島城の出丸櫓でまるやぐらは、もうあらかた工事ができている。今は、いつか崩壊ほうかいした石垣の修築が少し残っているばかり、元気のいいのみの音は、そこで火を出しているひびきである。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんど新たに築きかけている城南の捨曲輪すてぐるわ、その水堀から積み上げた大石の堆層たいそうが、どうしたのか、今俄然がぜんとしてくずれたため、上の桝形ますがたへ建築しかけている出丸櫓でまるやぐらの一端まで
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)