“凡有”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あら66.7%
あらゆ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
凡有あらゆる翼を拡げきって空騒ぎをやらかしてやろうという、人間それ自身の儚なさのように、之も亦儚ない代物しろものには違いないが、然りといえども、人間それ自身が現実である限りは
FARCE に就て (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
凡有あらゆる物の混沌の、凡有ゆる物の矛盾の、それら全ての最頂点パラロキシミテに於て、羽目を外して乱痴気騒ぎを演ずるところの愛すべき怪物が、愛すべき王様が、即ちまぎれもなくファルスである。
FARCE に就て (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
そして私は、この単純な白漆喰に取り囲まれて、簡潔な、直線的リネエルな医療機械に護られてゐると、凡有あらゆわだかまりを発散して、白痴のやうにだらしなく安心したい気持になつた。
そして彼はその時にのみ、凡有あらゆる計算を打ち忘れて猛り立つやうであつた。