“凌霄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のうぜん50.0%
にんどう16.7%
のうぜんかずら16.7%
のうぜんかづら16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
目覚めると、庭芝のうへ、やはらかな雨がりてゐる。目にしみる、いろどり。睡つてゐる芝艸。——みてゐると、ぽたり、それへ凌霄のうぜんかづらの花がこぼれおちた。緑中一点紅。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
庭には天鵞絨びろうどを敷いたような青あおした草が生えて、玄関口と思われる障子にの点いた方には、凌霄にんどうの花のような金茶色の花が一めんに垂れさがった木が一本立っていた。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鯖名といふ温泉にて雨にふられ、旅のうさ今更覚えけるを、廓ありと聞きて、宿屋の庭下駄に知らぬ闇路やみじ踏んで、凌霄のうぜんかずら咲く門に這入りける。
(新字旧仮名) / 正岡子規(著)
譬へていへば女は凌霄のうぜんかづらである。凌霄はふしくれ立つた松の幹でも構はずに絡みかゝる。松の幹がすげなく立つて居てもずん/\と偃ひのぼつて枝からだらつと蔓を垂れて其處に美しい花を開く。
佐渡が島 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)