円位えんい)” の例文
旧字:圓位
名は佐藤義清さとうのりきよ、憲清とも則清とも書き、法名は円位えんいともいった。徳大寺家の家人で、俵藤太秀郷たわらとうだひでさとの子孫だというが、家柄はあまり高くなく、右兵衛尉うひょうえのじょうに任じた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
月は出たが、繁茂はんもした木立は月光を洩らさないので、あやめもわからない闇のなかで心わびしく思いながら、やがて眠るともなくうとうとしようとすると、たしかに、「円位えんい、円位」とよぶ声がする。