やがて、ほっと我にかえり、兄弟房ブリューデル・シュトゥーベの窓にまだ灯がともっているのに気がついて、うれしくなった。
兄弟房ブリューデル・シュトゥーベのドアの前で、二人は立ちどまった。ハリスは夜もふけ、もうけっこう喋りすぎたことに気づいた。もう辞去しようといろいろ言ってみたが、相手は聞き入れようとしなかった。
「覚えていらっしゃるでしょうが、ここでは就寝時間が早いですからね。しかし少なくとも、あなたは兄弟房ブリューデル・シュトゥーベへいらして、しばらくコーヒーでもつきあってくださらなければなりませんよ」