傅人もり)” の例文
三法師は、何といっても、まだ三ツなので、傅人もりの長谷川丹波守が膝へのせて正面へ向けていても、決してじっとしていなかった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——何といっても、まだあの通りたあいない御幼少じゃ。傅人もりの膝に置かせて、お苦しい目におあわせ致さんでも、よくはあるまいかの」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや真情だ。傅人もりとして、少年の日から世話をやかせ、あげくに十年、縁の下の辛苦をさせた。げに、そちならではだ」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もちろん、正面の上座は、一門の神戸三七信孝と、北畠信雄の二人が、席をわかっていたが、なお一方の上襖うわぶすまへ寄って、もうひとりの幼い君が、傅人もりの長谷川丹波守に抱かれていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侍女こしもと傅人もりも、腹をかかえて笑いこける。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)