“伝法”のいろいろな読み方と例文
旧字:傳法
読み方割合
でんぽう85.7%
でんぼう14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
欽之丞は、そんな伝法でんぽうな口をききます。腕はよく出来ますが、旗本の冷飯食いで、およつの園花とは、二年前からの深間ふかまだったのです。
芳年写生帖 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
どれもこれも、侍伝法でんぽう、大男で酒のみである。上の弥左と末の文蔵だけが、あまりけない。そのかわりに喧嘩がすきだ。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高い階段はしごだんを上ってゆくと、柳沢はあのさい体格からだに新調の荒い銘仙めいせんの茶と黒との伝法でんぼう厚褞袍あつどてらを着て、机の前にどっしりと趺座あぐらをかいている。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
下町気質したまちかたぎよりは伝法でんぼうな、山の手には勿論縁の遠い、——云わば河岸のまぐろすしと、一味相通ずる何物かがあった。………
魚河岸 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)