伊達者だてもの)” の例文
頤髯をちょっぴりはやした伊達者だてものを描いたもので、もうかれこれ十年以上も同じところにかかっているものであった。
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
「これくらいなことに恐れるようでは、剣術の稽古などはしないがいい。お前らは、六方者むほうものだの伊達者だてものだのといわれて、ややもすると、喧嘩するではないか」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遊び女を二人連れた下町風の伊達者だてものが通常「詩人の隅」と呼ばれる壁寄椅子の隅に陣地を占め白葡萄酒を飲み乍ら料理の来るのを待っている。彼等の話は軽く脈うつ。
食魔に贈る (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
フランス華族社会切っての伊達者だてものボニ侯爵がアメリカの金持寡婦の依頼で、この土地で欧洲名門救済協会の組織を協議したこと等の記事が眼につく——だしぬけに部屋の扉が開いた。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)