些中さなか)” の例文
父ステツレルの怪異が——、あの妖怪ようかい的な夢幻的な出現が、時を同じゅうして、いつも、れ果てたときの些中さなかに起こるのは、なぜであろうか。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その些中さなかになるとどうも胸がむかついて来て——と云うものだから、私は眼をつむるよりも——そんな時は却って、上目うわめきつくした方がいいよ——と教えてやったものさ。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)