二点にじ)” の例文
旧字:二點
柱時計の午後二点にじをうつ拍子に、入り来たりしは三十八九のたけ高き婦人なり。束髪の前髪をきりて、ちぢらしたるを、たかき額の上にて二つに分けたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
たちまち柱時計は家内やうちに響き渡りて午後二点にじをうちぬ。おどろかれし浪子はのがるるごとく次の間に立てば、ここには人もなくて、裏のかたに幾と看護婦と語る声す。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)