“乙骨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おつこつ66.7%
おとぼね33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
原は金沢の学校の方に奉職していて、久し振で訪ねて来た。旧友——という人は数々ある中にも、この原、乙骨おつこつ、永田、それから高瀬なぞは、相川が若い時から互いに往来した親しい間柄だ。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
諏訪すわ以南、乙骨おつこつヶ原までの七里のあいだに、よく北条勢の数万を牽制けんせいしつつ、やがて家康の後陣と合して、新府韮崎にらさきの地形にり、浅生あそうヶ原をはさんで対陣幾十日に及び、さしもの北条の大軍をして
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎧通よろいどおしは、やはりあの一本だけでした。それから、本庁の乙骨おとぼね医師には、御申し付けどおりに渡しておきましたが」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
伸子の診察を終って入って来た乙骨おとぼね医師は、五十をよほど越えた老人で、ヒョロリと瘠せこけて蟷螂かまきりのような顔をしているが、ギロギロ光る眼と、一種気骨めいた禿げ方とが印象的である。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)