丹色塗櫛にいろぬりぐし)” の例文
と、思って——お粂は自分の驚きを打ち消しはしたものの、もうたぎりかけた情炎は水を浴びせられたような心地で、吾ながらてれ臭そうに、そこへ落ちた丹色塗櫛にいろぬりぐしをやけに横へきあげました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)