丹治峯均筆記たんじほうきんひっきにはまた、こんな話ものせてある。武蔵、幼年から父の兵法を見て、いつも口賢くちさかし誹謗ひぼうする、無二斎はわが子ながら気にくわないでいる所、当時、楊枝ようじを削っている室に武蔵もいた。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)