“三色菫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さんしきすみれ20.0%
ぱんじい20.0%
パンジイ20.0%
パンジー10.0%
イワンダマリヤ10.0%
イワン・ダ・マリア10.0%
パンセ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日車ひぐるまつぼみを持っていまだ咲かず、牡丹ぼたんは既に散果てたが、姫芥子ひめげし真紅まっかの花は、ちらちらと咲いて、姫がものを言う唇のように、芝生から畠をかぎって一面に咲いていた三色菫さんしきすみれの、紫と、白と、くれない
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まつゆき草、さふらん、紫櫻草、金いろの眼の三色菫ぱんじいなど、花は、葉の間から覗いてゐた。私たちは、木曜の午後(半どんの日)の散歩を始めた。
さあ連理草スウィート・ピイ(レイアティズに)、別れってこと、それから三色菫パンジイ、これは物思いの花よ。あなたには茴香ういきょう(王に)それから小田巻。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そのときわたしたち何も薬をもっていないでね、薬屋へ行ったら、三色菫パンジーの花の乾したのを煎じてのめってよこしたのよ。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
三色菫イワンダマリヤの花盛りだ。赤っぽい小砂利が綺麗にしきつめられ、遠くの木立まですきとおる静寂が占めている。
スモーリヌイに翻る赤旗 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
肩のひろくあいた白服の胸に三色菫イワン・ダ・マリアの造花をつけて笑っている女は、市の映画常設館ピカデリーのプログラム売りが職業であった。
赤い貨車 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
三色菫パンセが頭をふりはじめると、まもなく素馨とミモザがつづき、あとは薔薇、仏蘭西薊シャルドンヌ、錦葵、ミルトと花冷えのするほどめちゃめちゃに咲き、茴香フヌイユやラヴァンドが匂い
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)