“一針”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっしん60.0%
ひとはり40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かならずしも私にとって頂門ちょうもん一針いっしんというわけのものでも無かったし、また、あなたの大声叱咤しったが私の全身を震撼しんかんさせたというわけでも無かったのです。
風の便り (新字新仮名) / 太宰治(著)
「いかにも、これは大変だ。——頂門ちょうもん一針いっしんとはこのことだ」
是をこしらえた女たちは、たとえば野ら働きの最もせわしい日でも、持って行って田のくろに包んで置き、男が茶を飲み煙草たばこを吸う時間にも、一針ひとはりでも是をして置こうとしたのだそうである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
小僧こぞうさんたちもののほころびでもれたならわたしうちつておいで、おうち御多人數ごたにんず内儀かみさんのはりつていらつしやるひまはあるまじ、わたし常住じやうじゆう仕事しごと疊紙たゝうくびぴきなればほんの一針ひとはり造作ざうさ
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)