一曲ひとくせ)” の例文
と浪人はちょっとしかねた顔を見せた。——肩幅の広い見るからに一曲ひとくせありげな人物である。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜモルヒネの粉末をこぼしてきたか、海老塚とか諸井看護婦という一曲ひとくせある人物の存在を見て、容疑者の範囲を手広くするために、そんなイタズラを残したのかも知れません。
不連続殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
函館の男だとかいって、ちょっとこう一曲ひとくせありそうな、……子供心にも覚えています。
春の枯葉 (新字新仮名) / 太宰治(著)
中高な鼻ばしらに一曲ひとくせをしめして、苦み走った唇を太くむすんでいる。足も草履ぞうりだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)