“一撮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとつまみ71.4%
ひとつか14.3%
ひとつかみ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで僕に別に一碗の熱湯を持ち来れと命じ、自ら起つて調合所に往き、大黄だいわう一撮ひとつまみを取り来つて熱湯中に投じ、頓服して臥した。既にして上圊しやうせい両度であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
焼香の時、重子がこうをつまんで香炉こうろうちくべるのを間違えて、灰を一撮ひとつかみ取って、抹香まっこうの中へ打ち込んだ折には、おかしくなって吹き出したくらいである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
但し其は明らかに誤りであつて、一撮ひとつかみに餘りある微少の種子たねより、摩天の大樹の生ずることを解したならば、其の瑣細なことも亦必らずしも瑣細なことで終るとは限らぬことを解するに足るであらう。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)