“クッション”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
羽根蒲団30.8%
座褥23.1%
15.4%
足台7.7%
座蒲団7.7%
臺座7.7%
長椅子7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
屍体は鄭重ていちょうに取り扱われているらしく、函の中は浮出し模様の高貴な白綸子しろりんず風の絹をもって、羽根蒲団クッションのように柔らかく全面に内貼りがしてあった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
といふのは、この見知らぬ男の大きな頬が、彼の唇に柔かい座褥クッションの役目をしたからである。
寄り掛りの高い、狹いいかめしい椅子いすの列、もつと古めかしい腰掛、それには棺の塵になつて二代もつた人の手になつた、やつと見分けられる、すりきれた縫取りの跡がクッションの上に殘つてゐた。
「怒ったね苅田君、——今のはたとえ話さ。つまり足台クッションの位置を直した者があるとすれば、ここには君より他に誰もいないと云ったんだ」
海浜荘の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
皆は千之の指さす方を見た、——倒れている老子爵の足の方に、子爵が常に痛風症に悩む足を載せて居た足台クッションが転げていた。
海浜荘の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
贅沢ぜいたくな長椅子や座蒲団クッション卓子テエブルなぞがいかにも王子の応接間らしい豪奢ごうしゃな飾り付けを見せていたが、主のない部屋の中は寒々とした一抹の空虚うつろをどことなく漂わせているように感じられた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
寢臺の枕もと近くの、臺座クッションゆたかな安樂椅子ソフアも、足臺を前に、寢臺とおなじほど白々ときはだつてゐて、私には、それが、蒼ざめた玉座ぎよくざのやうに思はれた。
私は到頭、やっかいな老踊子を、静かに長椅子クッションの上に寝かしてやらなければならなかった。