“わらい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
70.7%
微笑16.0%
哄笑2.7%
2.7%
嘲笑2.7%
哂笑1.3%
嗤笑1.3%
媚笑1.3%
笑顔1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ふ、ふ、ふ、ふ、ふ。」……大歎息おおためいきとともに尻をいたなごりのわらいが、更に、がらがらがらと雷の鳴返すごとく少年の耳を打つ!……
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
考えていたことを確かめ得たものか急に藤吉、水を噴くように上を向いて笑い出した、晴ればれとした、小児のような微笑わらいである。
と、いつものように、たかだかと哄笑わらいを噴き上げていたが。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
今日文壇の士に向って仏蘭西フランスの風光とその詩篇とを説くのはいたずら遼豕りょうしわらいを招ぐに過ぎないであろう。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
荒木夫人は干からびたような嘲笑わらいもらして
少年・春 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
「それ神はまったき人を棄て給わず……(汝もし神に帰らば)つい哂笑わらいをもて汝の口をたし歓喜よろこびを汝の唇に置き給わん」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しばしばちまた徘徊はいかいしていたので、むかし嗤笑わらいを買った身が、今はあの兇行の連続にもかかわらず、憎悪はむしろ帯刀一家に移って
くろがね天狗 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ここで、こんなことで露顕しては——と、お糸の糸重は、無理につややかな媚笑わらいを作った。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
痛さが余りはげしい時には、人はすぐに泣き出さず、かえって妙な笑顔わらいをするものだが、悲しみの場合も同じことで、それが余りひどい時は、涙を忘れ、悲しいと感じる力さえ失った様になるものである。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)