“よしき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吉城46.2%
葦切15.4%
葭切15.4%
吉敷7.7%
嘉樹7.7%
諾来7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また荒野の字を避けていろいろほかのめでたい字を用いたのは、荒が一方に凶作を意味する不吉の文字であるからで、飛騨ひだ荒城あらき郡を吉城よしき郡と改めたのと同じ例である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すげの中からは葦切よしきりの声! と、鉄砲の音がした。猟師が朝駈けをしたのだろう。夏沢岳、天狗岳、中山、丸山、茶臼山ちゃうすやま縞枯岳しまがれだけに横ヶ岳、東の空にそびえている。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
本所ほんじょ茅場町かやばちょうの先生の家は、もう町はずれの寂しいところであった。庭さきのかきの外にはひろい蓮沼はすぬまがあって、夏ごろはかわずやかましいように鳴いていた。五位鷺ごいさぎ葭切よしきりのなく声などもよく聞いた。
左千夫先生への追憶 (新字新仮名) / 石原純(著)
ところが、机の上に「日本文学全集」が載っていた。フト見ると、「片岡鉄兵」や「葉山嘉樹よしき」などの巻頭の写真のところがひろげられたまゝになっていた。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
諾来よしきた、と頼まれて、紙入を隠してやったのが暴露ばれたんで、掏摸の同類だ、とか何とか云って、旦那方の交際つきええが面倒臭くなったから、引払ひッぱらって駈落だとね。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)