“ゆくえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
行方69.2%
行衛29.2%
行末0.5%
行衞0.5%
踪跡0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから毎日、昼間ひるま甚兵衛じんべえがでかけ、よるになるとさるがでかけて、人形の行方ゆくえさがしました。けれどなかなか見つかりませんでした。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
その後も屡々しばしば水戸へ人を派したが、水府は東湖塾を中心として混乱していて、一人の青年の行衛ゆくえなどまるで尋ねあてる由もなかった。
岩魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
渦捲うずまいて去る水の、岩に裂かれたる向うは見えず。けずられて坂と落つる川底の深さは幾段か、乗る人のこなたよりは不可思議の波の行末ゆくえである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
との豫言よげんは、偶然ぐうぜんにも其通そのとうりになつて、是等これら寳物たからものがあつたばかりに、昨夜さくや印度洋インドやう惡魔あくまにもおそ大海賊だいかいぞく襲撃しうげきかうむり、ふねしづみ、夫人ふじん行衞ゆくえうしな
「まるきり踪跡ゆくえが解らんのかい?」と重ねて訊くと、それ以来毎日役所から帰ると処々方々を捜しに歩くが皆目かいもく解らない、「多分最う殺されてしまったろう」としおれ返っていた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)