“やくざもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無益物33.3%
斗筲輩11.1%
無益者11.1%
無能者11.1%
無頼漢11.1%
無頼者11.1%
爛死蛇11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お蔭で学者は細君にぴどく叱り飛ばされてしまつた。無理はない、どんな学者の事業だつて、女の生む「孩児あかんぼ」に比べると、ほんの無益物やくざものに過ぎないのだから。
いきおいを制する人でなければ、人間一疋の通用が出来ぬけれど、私の様な斗筲輩やくざものになると、直ぐ其いきおいに制せられて了って、吾は吾の吾ではなくなって、いきおいの自由になる吾、いきおいの吾になって了う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ちょうどこの時分、今から十ヶ月ほど前ですが、ジルベールが私を尋ねて参りました。目の当りに会ってみますれば、あんな無益者やくざものでも、やはり我子は可愛うございます。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
「他に立派な絵師もあろうにこんなわしのような無能者やくざものに何でお頼みなさるのじゃな?」
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
誰にも似ない無頼漢やくざもの、十五の時から家を抜け出し今年で二十年三十五歳、国へも家へも寄り付かず気儘にくらして居りましたところ、今から数えて十八年前、人の噂で聞いたところ
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さては無頼者やくざものでござりますな」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ことに痴情の果に箇様かよう不始末ぶしまつ為出しだしました、なにともはや申しやうも無い爛死蛇やくざものに、段々と御深切のお心遣こころづかひ、却つて恥入りまして、実に面目次第も御座いません。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)