“みずてん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
不見転80.0%
水転20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いいえ、そんなことではありません。商売人の不見転みずてんなんかに手出しをなさるよりは、はっきりこれこれときまってる方が、まだよいと思っていますわ。」
人間繁栄 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「武士は食わねど高楊枝たかようじ」の心が、やがて江戸者の「宵越よいごしぜにを持たぬ」誇りとなり、更にまた「ころ」「不見転みずてん」をいやしむ凛乎りんこたる意気となったのである。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
深川の堀割の夜深よふけ、石置場のかげから這出はいだす辻君にも等しい水転みずてんの身の浅間あさましさを愛するのである。悪病をつつむくさりし肉の上に、ただれたその心の悲しみを休ませるのである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)